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「愛する歌」全曲
あの日の感動が、、、
YouTubeになって甦りました。8/24に開いたリサイタルの演奏動画が公開されました。やはり会場で生を聞いていただくのが一番ですが、ご来場いただいた皆様にはあの日の会場の熱気を思い出していただけると思います。
まずご紹介するのは、やなせたかし作詩、木下牧子作曲の歌曲集「愛する歌」全曲です。木下さんご自身のX(旧Twitter)でもコメントしてくださいましたが、愛する歌を全曲通して演奏することは稀なようです。
この曲集の聞きどころは、木下牧子さんの和音の美しさです。「和音は綺麗なんじゃないの?」と思われるかもしれません。たしかにその通りで、汚ない和音をそういう表情を出すときに敢えて使うことはありますが、基本的には綺麗な和音を使います。
では、何が違うのか。同じ綺麗な和音でもその連結の仕方であったり、他の調からの借用(一般の方には、ほんの一瞬の転調という方がわかりやすいかな)などです。メロディーと和音を詩と組み合わせるわけですが、その使い方が作曲家の個性であり、センスなんですね。一般の方にもわかりやすく書いたつもりですが、かえってわかりにくかったかな。
細かいことはいいよという方は、詩と曲の美しさを堪能していただければそれで結構です。私は声楽家ですが「日本語がクリアに聞こえる歌唱」を大事にしています。声の立派さを見せたがるのが声楽家の性ですが、言葉のニュアンスを大事にする歌唱。これこそが歌の心髄だと私は思っています。
次回はまた別のプログラムを紹介します
(倉藤理大)
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